唐突で恐縮だが、だいぶ昔の中学生の頃、中国古典が好きでよく読んでいた。いわゆる三国志とかそういうやつだ。
中でも史記とか春秋戦国時代とかの話が好きで、今で言うと漫画「キングダム」とかで書かれている世界だ。
特に楚漢の戦いとか、楚漢春秋と言われる項羽と劉邦の戦いに一番夢中になっていた。
知らない人にちょっとだけ説明すると、三国志の前の時代の話で、中国史上最大の武人「項羽」に、戦争は苦手、でも政治はもっと苦手の「劉邦」が立ち向かうというお話。
それで、この戦争も政治も苦手の劉邦がどう立ちむかうのかというと、劉邦という人は、部下に沢山有能な人材をかかえていて、この部下たちの力を借りて戦った。「国士無双」の語源となっている「韓信」もこの人の部下だ。
劉邦はこれら沢山の部下の進言をよく聞いていたから、天下を統一できたと、基本的にはそういうお話。
話を面白くする為にいろんな脚色がはいってるだろう事は、それから数十年たっている私にも良くわかっているけれども、人の話を聞き入れるという事はどういう事だろうと今でも考える時がある。
という訳で今回は、人の話をきくというお話。
劉邦も失敗している
とは言え前述の劉邦も失敗している。
例えば、酈食其という部下の進言で、滅ぼされた国の子孫を独立させて国を持たせようという進言に対して、それをそのまま聞き入れるのだが、さらに他の部下のその政策はまずいと言われ撤回してしまう。
ある種の優柔不断さが出てしまった形だ。逆のパターンもある。
劉邦はいろんな部下から、リーダーなのに礼儀を軽んじているから良くないと注意をうけているけども、ここはまったくなおらなかったようだ。
何でも聞きいれれば良いという話でもない
考えてみれば、なんでも聞き入れれば良いという話でも無いという事はすぐわかる。前述の話は聞き入れすぎて失敗した話だし、例えば、意見が正反対の二人が自分に何か薦めてきたら、どちらかのいう事は拒否する事になるだろう。
とは言え、やはり人の話は聞くに限る。失敗もあるかもしれないけど、自分には無い意見や考えを取り入れるというのは大事な事だ。
人の話を聞くというのは自分で考えるより難しい
そもそも、人の話を聞くというのは、自分で物事を考えるより難しいと思っている。
自分で考えたモノなら、その考えた過程も自分でわかっている訳だし、なにしろ納得感も大きい。
他方、人の話を聞いて、それを取り入れるという事は、相手の考えを理解出来るという前提に立っている。
相手より賢くなくては取り入れられないとは言わないけれど、話をした相手と少なくても同等の理解力がなければ出来ないだろう。
しかも、その話をしてくる相手が常に説明上手だとは限らない。本当は役に立つ事をいっているけど、説明は下手という人もいるだろう。
加えて、自分自身の感情の事も考えると、なかなか人の話を聞き入れるという事は難しいとわかる。
人の話を聞き入れる事
結局は人の話を聞き入れるというのは、人の話を議題に物事を考えるという事なんだろう。だから、人の話を上手く聞き入れて成功すれば、失敗する人もいる。
自分自身が人の話を聞き入れるには、逐一、人の話について考える余裕を持たなくてはいけないのかもしれない。
大変な事だけれども、大事な事だ。